
教育ローンとは、利用目的が教育に限られているローンです。教育目的であれば、授業料や教科書代などの学費だけでなく、一人暮らしの家賃にも使えます。一般的なカードローンよりも利用用途が限定されている分、金利が低いのが特徴です。本記事では、教育ローンを借りる時点で気を付けておきたいことや、返済が大変なときの対処法を紹介します。
教育ローンのスムーズな返済を見据えた借り方
教育ローンには、国の教育ローンと民間の銀行による教育ローンの2種類があります。日本政策金融公庫による国の教育ローンでは、固定金利1.80%で、子ども1人あたり350万円(条件を満たせば450万円)まで借りられます。世帯年収などによって、さらに金利が優遇されることもあります。
民間の銀行でも、さまざまな教育ローン商品を展開しています。みずほ銀行や三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行といった民間メガバンクの教育ローンの金利は4%程度で、融資額の上限が1,000万円という商品もあります。低金利でまとまった額が借りられる教育ローンですが、返済で困らないために、どのようなことに気を付けて借りたらよいのでしょうか。
繰り上げ返済を視野に入れる
残金の全額、もしくは一部を期日よりも前にまとめて返済する「繰り上げ返済」を視野に入れましょう。繰り上げ返済することで、最終的に支払う利息の額が少なくなります。金銭的に余裕があれば、残金の全額を一括で繰り上げ返済することで利息額を大幅に減らせますが、一括返済が難しい場合でも、残高の一部を返済することで利息額の削減ができます。
残額の一部を繰り上げ返済することで、支払い期間の短縮、もしくは毎月の返済額の削減が可能です。ただし、繰り上げ返済する場合、手数料がかかることがあります。将来的に繰り上げ返済を考えている場合、手数料を調べておくとよいでしょう。
返済期日をきっちり守る
当たり前のことではありますが、返済期日はきっちり守りましょう。国の教育ローン、民間の教育ローンともに、返済が遅れると遅延損害金が発生します。返済期日を過ぎると、督促の書面や電話がくることもあります。さらに、返済が滞ると最悪の場合、給与や家財などが差し押さえられます。
返済期日を忘れないように覚えておくことが大切ですが、念のためカレンダーや手帳にメモしておく、リマインダーを設定するなど、うっかり滞納してしまわないような対策をおすすめします。
教育ローンを返済が難しくなったときの対処方法
収入の減少や家庭の事情などで、どうしても期日までに教育ローンの返済ができない場合、どのような対処法があるのでしょうか。
金融機関に相談する
期日までの返済が難しい場合は、早めに借入先の金融機関に相談しましょう。返済期限の先延ばしや、月々の返済額を減らせることがあります。国の教育ローンの場合、子どもの在学中は元金の据え置きができます。つまり、毎月の支払いは利息分のみとなるため、返済の負担を軽減できます。
元金の返済は、子どもが卒業した後に開始することになります。金融機関への相談は、当初の返済期日よりも前にしましょう。延滞した後の相談は不利になるケースもあります。
債務整理を検討する
長期的に返済が難しい状況になったら、弁護士に相談して債務整理を検討しましょう。債務整理を行うとローンの返済の負担は減りますが、信用情報に傷がつくことで新たなローンを組めなくなるなどのデメリットもあります。債務整理は個人でもできますが、不安な人は弁護士に相談しましょう。
教育ローンが返済できないとどうなる?
教育ローンの返済を期日までにできない場合、どうなるのでしょうか。
返済を滞納し続けると延滞料が増え続ける
国の教育ローン、民間の教育ローンともに、返済を滞納し続けると延滞料がかかります。たとえば、国の教育ローンの場合、遅延損害金は年8.7%で計算されます。
200万円を借り入れて、返済を10日遅延した場合の遅延損害金は200万円×8.7%÷365日×10日=4,767円となります。借り入れ金額や遅延損害金の料率、延滞日数によって、さらに延滞料は増えます。
長期間返済できないと連帯保証人に支払い義務が移る
教育ローンを契約したときに、連帯保証人を付けることがあります。その場合、長期間返済できないと連帯保証人に支払い義務が移ります。教育ローンの場合、一般的には保証人不要、もしくは保証会社を利用することが多いですが、国の教育ローンでは連帯保証人を付けることもできます。
連帯保証人を付けるメリットは、保証機関を利用しなくてよいことと、そのための保証料がかからないことです。しかし、連帯保証人には借主と同等の責任が生じるため、返済が滞ると連帯保証人が支払う義務を負うことになります。
保証料を支払っている場合は保証機関が代わりに返済する
連帯保証人ではなく、保証人として保証機関や保証会社を利用している場合は、保証機関や保証会社が代わりに返済します。
保証機関が代わりに返済した場合、借主は教育ローンを契約した銀行や国の機関ではなく、保証機関に返済することになります。さらに滞納を続けると、一括請求や差し押さえのリスクが高くなります。
まとめ
今回は、教育ローンのスムーズな返済を見据えた借り方や、返済が難しくなったときの対処法を解説しました。教育ローンの返済で大変な思いをしないために、教育ローンを組むときは返済を見据えて申し込みましょう。もし、返済が難しくなったら、返済期日よりも前に金融機関に相談することで、返済期限の延期や返済額の減額ができるかもしれません。くれぐれも無断で滞納しないよう、教育ローンは計画的に利用しましょう。